スズキイグニスがオワコンに
スズキイグニスが2024年4月いっぱいで生産終了となったらしい。実はスマートを購入する際、最初に頭に浮かんだのがイグニスで、ディーラーに試乗にも行った。特に走りの印象も悪くなく、「スポーツではないスイフトと似ているな!」と思った。なぜスイフトなのかと言えば、やはり一番はデザインだ。往年の名車、RRのフロンテクーペを思わせるデザインに痺れた。大きさもちょうど良い。私は結構乗り気だったが、妻に相談すると「スズキのSのエンブレムが嫌だ」と一言。またスマートの走りが想像を遙かに超える出来だったので、イグニスを選ぶことはなかったというわけ。
それにしてもここのところのスズキのクルマのデザインは、エクステリアもインテリアも、国産メーカーとは思えない強いオリジナリティと美しさを両立させていると思う。トヨタを始め多くの国産メーカーのデザインにまったく納得が出来ない私にとって、スズキのクルマを見かけることが効果的な精神安定剤となっている。
さて最近のスズキのデザインに私が注目し始めた最初のクルマは、2010年9月に発表された3代目スイフトスポーツだった。ボリューム感のあるベースボディを欧州流スポーツモデル化の定石に従ってドレスアップ。塗装の質感向上もあり、200万円前後で買えるようなコンパクトスポーツには見えないところに惹かれた。
次に注目したのは、2014年12月に登場した8代目アルト。そのボディラインは、正に往年のフロンテクーペを彷彿とさせ、女性ユーザーも多いだろう軽自動車にもかかわらず、男臭さがプンプンと感じられるクルマとなっていた。6代目、7代目が丸を基調としたソフトな印象のデザインだったことへの反動かとも思った。ちなみにアルト発表の約1年前の2014年1月に大ヒットモデルハスラーが登場しているが、実は私的にはピクリともこなかったことを告白する。ハスラーを見たときに思い出したのがダイハツネイキッドだったのだが、その演出を含めた作り込みに比べ、ハスラーはなんともイーチャンに感じた。ホントに雰囲気だけのクルマに見えたのだ。ただしその考えは間違っていたことが、2台目ハスラー登場後に判明したのだが、その話はいずれまたしましょう。
そして2016年2月にイグニスが発表。同年12月にはスイフトも発表された。で、このスイフトのデザインなんですが、最初はまったく理解できなかったことを告白します。前モデルと比べボリューム感はなくなっているし、ストレートが強調されていたウエストラインは変な抑揚が付いてしまった。おまけにCピラーが樹脂パネルで上下二分割されていて、何年かすると黒の樹脂パネルがしらっちゃけてみすぼらしくなると確信しました。また2016年3月に発表されていたバレーノとの共通点もいくつか感じられ、私の中で失敗デザイン確定となりました。
ところが1年経ち、2年経った頃、このスイフト(スポーツ)が段々格好良く見えてきました。これは非常に珍しいことです。国産車の場合、だいたい最初は格好良く見えても時が経つにつれて陳腐化し、格好悪くなる。スイフトは従来の国産車のパターンと違いました。現在でもスイフトのデザインは国産車ナンバー1だと思いますし、今のところは新型スイフトよりも良いデザインだと感じています。